ボンバー東
アルトワークス専門店として主にC系ワークスを300台以上の販売と修理や整備、レース活動で一時は目を閉じて1時間以内にワークスのエンジンを下ろすことが出来るほど、パーツやボルト、ナットの位置もすべて頭の中にありました。
カテゴリ:ワークスマニュアル
タイミングベルト
2019.12.25
必要工具
・プライヤー
・ノーズプライヤー
・12メガネレンチ
・14メガネレンチ
・17メガネレンチ
・12スパナ
・ラチェットレンチ
・ボックス10ロングソケット
・ボックス12
・ラチェット延長
・中マイナスドライバー
・ロングプラスドライバー
・中プラスドライバー
タイミングベルトを交換する際には、ベルトとテンショナーの双方を交換下さい。
シングルカム・ツインカムともカムプーリーが一つか二つかの違いですので、作業的には同じです。
この資料はツインカムエンジンで作成してます。
実際には、エンジンは下ろさずにしますが、写真説明をしやすいように、下ろしたエンジンで説明いたします。
まず、エアークリーナーを外す。
「エアークリーナー交換を参照」
次に青〇 の部分、タービンと繋がっている 、冷却用のホースを2本外します。
クランクプーリーのボルトを緩めます。
手で回すと、エンジンも一緒に廻り、緩みませんので、工具にハンマーでショックを与えるか、セルをまして取る方法があります。
エンジンは、向かって右に回転します。
反動で怪我をしないようにご注意下さい
クランクプーリーを外したら 矢印のボルトを外してカバーを外します。
この時にエンジンオイルレベルゲージの鉄管を一旦外しますが、抜いたままだとそこからゴミが入るので、カバーを外してから申し一度装着するか、ゴミが入らないように詰めておいてください。
クランクプーリーを外し、カバーを取ります。
カバーを外したら、もう一度クランクプーリーのボルトだけを を差込ます。
クランクが抜けない場合は、潤滑スプレーなどを使用すればよいが、ベルトのかかるところにはスプレーはしないで下さい。
時計回りにクランクを回して、左の写真の矢印に位置でタイミングのマーキングを合わせます。
クランクが2回転でカムプーリーは一回転です。
上のカムプーリーのマーキングと、下のクランクのマーキングがばっちり合う位置で止めてください。
これがずれると、ピストンとバルブのタイミングが合わず、エンジン不調や最悪の場合はバルブとピストンが衝突してしまいます。
また、カムシャフトも左右でもタイミングが狂います。
外す際よりも取り付け時に同じ位置で装着できるようにしている訳です。
実際は、ベルトがあり、見づらい為に、外した状態で説明します。
上記写真のようなマーキングがあります。
上から見ているとクランクシャフトにある、マーキングとクランクケースにあるマーキングが真っすぐにぴったりと合う位置で合わせますが、上からや横からみているとずれて見えます。
正面から見て(実際にはエンジンを下ろしていない状態以外では正面から見えないです(^^;))合っているかしっかり想像してみてください
ウォーターポンプを交換する場合は、先にカムプーリーを緩めておきます。
カムプーリーを外さないとカバーの下にあるウォータポンプが外れないため
タイミングベルトを外してからでは、緩めにくくなるために。
クランクシール・カムシール・ウォーターポンプ交換は、ここより各交換資料を参照
※タイミングベルト交換のみの場合はカムプーリーは緩める必要もありません。
テンショナーのスプリング 真ん中のボルトを緩めて外す。
タイミングベルトが緩むので手前に引き出すようにベルトを外します。
ベルトが取れたら、クランクプーリーのボルトのみをもう一度差し込みます。
ベルトを外す際に、位置がずれた可能性がありますので、左に写真のようにタイミングのマーキングを合わせます。
上部・下部ともベルトがかかっていませんので、少し動かす程度で微調整し回転 させないで下さい。
下記のベルトをかけるときにもマークの位置には十分注意してください。
山を間違えるとエンジン不調や、ピストンとバルブが衝突し、エンジンを破損します。
タイミングベルトをかける場合は、写真のように全てのプーリーに少しずつかけます。
そして、すべて均等に押し込んで行くと良い。
この時、向かって右 側(フロント側)のベルトはたるんでは駄目です。張った状態に!
次にテンショナーを付ける(2枚目の写真を参照)先に付けておいても可
ボルトは締め込まずに、テンショナーが自由に動くくらい。
全てベルトがかかったら定位置まで押し込みます。ウォーターポンプのプーリーの位置はどこでもOK
しっかり奥までタイミングベルトが装着出来たら テンショナーのスプリングをかける。
このスプリングがベルトを張ります。
テンショナーのボルトを仮締め
マーキングの位置がずれていた場合は、マークの位置を合わせて下さい。
先ほども言いましたが、エンジンは向かって右(時計回り)に回ります。
①最下部のクランクが回転する事により、②のベルトが引っ張られます。
③のベルト部がたるむので、テンショナーがスプリングで引っ張られているためにタイミングベルトが適度な張りとなります。
絶対に左には回さない事、必ず、右にエンジン回転と同じ方向で回すこと。
左に回すと③のテンショナーが矢印とは逆の左方向へ引っ張られ、②がたるみます。
たるみがでれば、エンジンをかけた時にベルトの山は簡単に飛んでしまいます。
上部のカムプーリーが回転し、ウォーターポンプへと連続した動きで、ピストンとバルブの開閉のタイミングをとっているのが、このベルトです。
山が一つずれると、本来バルブが開閉すべき位置がずれてしまし、エンジン不調となり、最悪の場合は、ピストンとバルブが衝突し損傷します。
上記写真、②の位置のベルトは、クランク回れば、遊び無く同時に上部のカムプーリーが回るくらい張っていなければなりません。
クランクが少し回ってからカムプーリーが回るようでは、ベルトの位置がずれている可能性がありますので、全てのマーキングの位置を再確認してください。
問題なければ、①クランクを右に回転させます。重たくなったり軽くなったりします。(吸気と圧縮、排気のタイミングで圧縮状態のときには重たくなり、排気バルブが開いて排気状態は軽く回ります。
②のベルトに1番負荷がかかった状態で、③の位置のベルトがたるんだ状態となりますが、③テンショナーのスプリングが引っ張っている為に、テンショナーが右に引っ張られ、結果ベルトが自動で適度に張られます。
この状態で④テンショナーを締め込み固定します。
①で軽く回っている時には、テンショナーを固定せずに、②のベルトに負荷がかかり③が一番たるむ状態で固定してください。
再度2回以上回して、マーキングの位置でベルトのたるみを確認します。
クランク一回転でカムプーリーが半回転しますので、カムプーリーを一回転させるには、クランクを2回転以上させる必要があります。
クランクのボルトだけを一旦外し、後は、カバーを付け、外した手順の逆の手順で取り付けをして行きますが最後のクランクプーリーのボルトは、緩まないように、ショックを与えて締め付けてください。
実際の作業でフロントから覗き込んだときにはこのような角度で見えます。
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